[つぐみ配列開発記]「自作同時打鍵配列」案とGoogle日本語入力[#2]
最近はいまいちネタもないしtwitterもあまり使ってないけど、意欲だけは有り余るh2tです。前回はつぐみ配列を作る動機までを記事にしました。今回は今のつぐみ配列ができるまでの過程を書きたいと思います。
前回の記事はこちらから。↓
こまどり配列を同時打鍵化すると決まったはいいものの、実際のところどんなふうに実装するかはイマイチ決めかねていました。
というのも、私が使っているパソコンの環境は、有名ドコロで世界シェアの99バーセントを誇る「Mac」や「Windows」ではなく、残り1パーセント の「Linux」と呼ばれるもの、その中での60パーセント(つまり全体の0.6パーセント!)の「Ubuntu」です。
しかもそれは世界の話。「日本語入力」という、世界から見れば小さい島国のためにしか使われないソフトウェア、アブリケーションというのは非常に少ないのです。
そんな環境である程度他の人も使える方法というのは、「Mozc」という、「Google日本語入力」のオープンソース版(辞書が公開できないので辞書 自体は平均的だが、他の部分はほぼMozcとGoogle日本語入力に変わりはない)しかありませんでした。
他にも「Anthy」などがあるのですが、 ローマ字テーブル(注1)が柔軟にカスタムでき、その上でWindowsやMacでも動くものはMozcしかなかったのです。
(注1)……どの「キー」を打つとどの「文字」が出てくるか決めたファイル。定義ファイルとか言ったりもする。
そんなことを頭の隅に入れながら、どういう仕組みにしてみようかなと思い、いろいろ考えてみたのが下の案2つです。
(1)何らかの方法で親指に文字キーを割り当て、3つのキーを同時打鍵でなんとか入力できるようにする。
(2)おとなしく五十音順に並べる。
まず(1)について。同時打鍵にするならけっこう範囲狭くできるんじゃね? と思って考えたのがこれ。一応ある程度はねってたけど結局、Google日 本語入力で実現できそうになかったので諦めました。多分Windowsの「DvorakJ」とか使えば実装は出来るんでしょうけど、あいにく Windowsはさほど好きではないので。こんな感じの「Google日本語入力だとできない」案というのは結構ありました。
(2)について。(1)を諦めたあとに、「初期のつばめ配列も五十音だったし、おとなしく並べてみるか」と開き直った時に実装したのがこの「五十音順」配列でした。以下のような感じです。
な |
は |
ま |
ら |
わ |
子濁 |
子濁 |
子濁 |
子濁 |
子濁 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
あ |
か |
さ |
た |
や |
お |
あ |
い |
う |
え |
純粋な五十音ではないのは、こまどり配列の名残。2段なのは結局、同時打鍵でストンと打てるような形にしたかったため。これがつぐみ配列の原型になります。
ここまでで今のつぐみ配列の形はある程度出来ているのですが、配列の並べたものを使っていると、一応使えなくはないけど打ちづらいものがあったりします。そこを調整したのが今のつぐみ配列、というわけです。
次回はつぐみ配列第一弾公開の話と、ともなう唐突に出てきた「漢直」欲の話でも書こうかと。